フランス1ヶ月の滞在の最後の晩餐に選んだのは、
パリで1つ星をもっている吉野建氏の『ステラマリス』
実はシェフの吉野さんは、
社長と同郷でお知り合いというご縁もあり、
出発前に社長と一緒に芝パークホテルのタテルヨシノでお食事をさせていただきました。
その時はシェフは日本にいなかったのですが、
マネージャーをされていた方に、
パリで食事に伺い時にいらっしゃったらぜひお会いしたい。
という話をしていました。
いよいよフランス最後の日、日の長い1日を満喫し、
ようやく夕方の雰囲気が出てきた7時過ぎホテルをでました。
が、なんとその日は滞在中唯一ストのあった日。
鉄道ストだったのですが、ほかの交通機関でも間引きや運休があり、
予定していたバスに乗ることができず、時間ぎりぎりで降りるバス停に到着。
さらにそこからお店のある通りを行けど戻れどお店が見つからない、
という事態になり大焦り。
時間は予約の8時をとうに過ぎ、電話をするにも電話もなく、
あきらめかけたときに誰もいない通りに1人スーツ姿の男性が。
どうも私を呼んでいるらしく、
ふらふらしながら(笑)近づいていくと、
「ここだよ!」
と笑顔のお出迎え。
どうやら心配して外に出てきてくれていたみたい。
「道がわからなくなってしまって、遅れてごめんなさい」
と謝ると、「心配ないよ」と笑顔で中に案内してくれました。
帰るとき気がついたのですが、
お店はシャンゼリゼから入ってすぐでした。とほほ。
店内は白を基調とした吹き抜けの広いお店。
1Fと2Fがあるようでした。
私は1Fの一番奥、ほかの席が見えるところに案内されました。
どうやら私が来ることは周知だったみたいで、
日本人の女の子が一人できたということにみんな興味津々。
そんな中サービスを担当している日本人の方が出てきて、
ようやくほっとしてお話することができるように。
今日の料理の説明から始まって、
料理の選びかた、今の旬のもの、などなどじっくり聞いた後、
食前にシャンパンをいただきながらメニュー選び。
前菜には旬のアスパラガスをシンプルにゆでたものに、(写真右上)
ラングスティーヌという日本で言うアカザえびの身を
パートブリックという春巻きの皮よりももっと薄い生地でくるみ揚げたものを添えて。
セージが中に入っていて、さわやか。(写真左下)
アスパラガスにはウズラの半熟の卵を揚げたものが添えられて、
ソースとしてつけて食べてもよし。
すごくシンプルですが、アスパラガスの苦み、甘みがしっかりと感じられる、
旬を味わうにふさわしい1品でした。
メインには念願のテット・ド・ヴォー(写真下中央)
これは日本で輸入の関係で作ることができないメニューで、
日本では代用としてコション(子豚)を使っています。
頭のあらゆる部分(頭肉、脳、舌、耳、とさかなど)を煮込み、
1皿に盛り上げたもの。
ルクルーゼの鍋でテーブルまで運び、そこでお皿に取り分けてくれます。
これは本当においしい。素材が凝縮している1品。
なのですが、重い。一人で食べるにはさすがにきつかった。
それに前菜が2品
1品は生ハムと赤肉メロン(カヴィヨンのものかな?)と生ハムのジュレ
このジュレの味がとっても濃くておいしい♪(写真上中央)
2品目はタルト生地の中にジャガイモのピュレを詰め、
その上にブーダンノワールの輪切りをソテーしたもの、
その上に生クリームをあわ立てたものを乗せて。
これもジャガイモの甘みとブーダンの濃厚さがとっても合っていた1品。(写真左上)
前菜を食べてこれから出てくる料理への期待が十二分に高まります。
デザートはそんなこんなでおなかに入らず断念。
死ぬかと思った・苦笑。
食後にエスプレッソをいただいて、
とどめのプチフール。(写真右下)
レモンのマカロン、チョコレート、フランボワーズのタルトについつい手を伸ばし、
身動きが取れなくなってしまいました。
とはいえ、お店にいた老若男女、
みなさんハーフポーションで食べる方は皆無。
みんながっつりしっかり召し上がっていましたけど・・・。
その後、ちょうどフランス滞在中だった吉野シェフのご好意で、
お店の中のシェフのオフィスで2時間ほどお話をお伺いする機会をいただき、
シャンパンを飲みながらほろ酔いで、
シェフのお話に笑い、うなずき、感動することしきり。
お店を出た後、土産話にとお店のすぐそばにある自宅にもあがらせていただき、
その暖かい人柄と懐の大きさに、感激し、
すばらしいフランス旅行の締めくくりに、
それまでの時間を支えてくださった方々への感謝の念が一気に沸いて、
帰りのタクシーで涙ぐむ、そんな夜でした。
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